いきもの通信 Vol.96[今日の観察]楽しいハト観察 その3ハトの水飲み 

Vol. 96(2001/7/22)

[今日の観察]楽しいハト観察 その3

ハトの水飲み

「楽しいハト観察」シリーズ、前回からずいぶん間が空いてしまいましたが今回は水飲みの話です。

鳥も生き物ですから、水を飲まなければ生きていけません。鳥が水を飲む姿を見たことがある人は少ないかもしれません。これは鳥も安全確保のため人前ではあまり水飲みをしないからです。しかし、どういう場所や情況で水飲みをするのかがわかれば、水飲みの観察は比較的容易です。といっても、私自身もそうしょっちゅうお目にかかれるものではありませんが。

あらゆる鳥は水を飲むのですが、今回わざわざハトのことをとりあげるのは、ハトの水の飲み方が他の鳥と異なっているからなのです。まずはハト以外の鳥たちがどのように水を飲むのかから見てみましょう。

普通の鳥の水の飲み方は「くちばしですくって、上を向いてごっくん」というふうになります。一度に飲める量が少ないので何回かこの動作を繰り返します。[図A]

一方、ハトの飲み方は「くちばしを水につけたままごくごく飲む」というものです[図B]。人間にとっては当たり前のような飲み方ですが、鳥の中でこれができるのはハトの仲間(キジバト、キンバトなどハト類全般)だけなのです。もちろんハトも他の鳥のような飲み方もできます。なぜハトだけがこのような飲み方ができるのかは、実はまだよくわかっていないいないのだそうです。くちばしやのどの構造がハトは特殊なのでしょうか。動物の世界もまだまだ謎があるのです。

さて、これを読んで鳥の水飲みを実際に見たいと思った方がいるかもしれません。いつも水のある場所で生活をしている水鳥は別として、スズメやカラス、ハト、ヒヨドリ、ムクドリなどなどといった陸鳥が水を飲みに来る場所はだいたい決まっています。一番わかりやすい場所は河原でしょうか。河原といっても護岸を完全にコンクリートで固めたような所ではなく、水と陸がなめらかにつながっている場所です。水面と岸に段差があると、小鳥は水面に首が届かないため水を飲めません。この条件を満たせば、例えば町中の公園の中にある人工的な水路や、駅前などの噴水池にも鳥たちは水飲みに来ます。ただし、雨水がたまったような泥水には来ません。また、水飲みは特定の季節に限らず必要なことですので、年中見ることができます。
ハトの水飲みは、ハトが普段からいる場所近辺の水場で待っていれば比較的簡単に観察できると思います。一方、その他の鳥となると確実に見ることができる場所があるわけではないので難しいかもしれません。自分自身の足て歩いて探すしかないでしょう。東京ならば、ハトと同じ場所でカラスの水飲みを見ることができるかもしれません。また普通の住宅地なら、人気の少ない水場でスズメの水飲みを観察できるかもしません。
水飲みの観察はそう簡単にできるものではありませんが、場所が限定されているために、気をつけていれば意外と遭遇するものです。


おまけ ハトはどこで子育てしているのか?

ハトはどこででも見ることができる鳥ですが、ハトの卵やヒナを見たことがある人はほとんどいないのではないでしょうか。私自身も見たことがありません。あれだけの数がいるのですから、どこかで繁殖しているはずなのですが、ハトは巧妙に子育てを人目から隠しているのです。
このことから想像できるのは、ハトは自然環境下では洞窟や横穴のような穴の中で子育てをするのではないか、ということです。穴や巣箱を利用する鳥の種類は多いので珍しいことではありません。
例えば、駅前に非常にたくさんのハトがいるならば、ハトは駅あるいはその近辺の施設のどこかで繁殖をしていると考えていいでしょう。人間の目の届かないすきまを見つけて利用しているに違いありません。私も一度そういう場所を調べてみたいとは思うのですが、そういう機会は無さそうです。

ということで、子育てについては書くことがこれ以上無いのでこれでおしまいです。


さてこのシリーズ、続きはあるのか?
どうでしょう。多分無いと思いますが…。


Vol. 48(2000/6/4) 楽しいハト観察 その2 ハトの交尾を観察する

Vol. 23(1999/10/24) 楽しいハト観察 その1 オスとメスの見分け方


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