Vol. 391(2007/12/28)

[東京タヌキ探検隊!]東京タヌキ、新聞掲載の反響のこと、新刊のこと

今回の記事の内容は執筆時点のものです。最新の情報は「東京タヌキ探検隊!」をご覧ください。

新聞記事のこと

先日2007年12月19日、朝日新聞東京版(朝刊)の東京面に東京都23区内のタヌキについての記事が掲載されました。この記事は東京都23区内で発売されている版にしか掲載されていませんのが、asahi.comにも掲載されましたし、テレビでは同日のテレビ朝日「やじうまプラス」でも紹介されたようです(おそらく新聞記事を引用するものだったのだろうと思いますが、詳細は私も知りません)。
この東京タヌキの記事は東京面のトップ扱いで、面積もけっこう大きなものでした。しかも、文京区で私が撮影したタヌキ画像が掲載、さらにメディアで紹介されるのはこれが初めての東京都23区内のタヌキ分布地図も掲載されましたのでインパクトはあったはずです(ちなみに私も写真で登場してますが、こちらはインパクトがありません。タヌキに完全に負けてます(笑))。


ちょっと説明させてください

ただ、この記事は書き方に不十分な点があり、ちょっと誤解を招いたこともあったようです。そこで、ここで再確認させてください。

・このタヌキ調査や分布地図の作成などはNPO法人都市動物研究会の活動です。
・プロ・ナチュラリスト佐々木洋氏は都市動物研究会の理事長です。
・宮本(私)は都市動物研究会の理事です。
・ホームページ「東京タヌキ探検隊!」は、都市動物研究会のホームページが無いために宮本が個人的に運営している暫定的なものです。

つまり、タヌキの調査も分布地図も宮本だけがやっていることではなく、都市動物研究会の活動なのです。新聞記事ではまるで私だけがやっていることのように読めてしまいますが、そうではありません。
タヌキ調査も分布地図の作成も、情報をいかに効率良く集めるかが重要です。それには一人だけで活動するよりも、集まって活動した方がいいわけです。


新聞記事の反響

さて、今回の記事の反響のことも書いておきましょう。
記事が掲載された朝、新聞に記事が載っていることを確認した私は近所のコンビニに行って新聞を買い足しました。地方面とはいえ、全国紙ですからね。一応、記念に買っておいたのです。私も東京タヌキもメディアで紹介されるのは初めてのことではありませんので、これまでとあまり変わらないどろうとその時は思っていました。
「異変」の最初は午前9時過ぎでした。メールでタヌキの目撃情報が届いたのです。こんなに早く反応があるなんて、さすが朝日新聞、と思いました。ところがメールはこれだけにとどまりませんでした。1時間も間を空けずに次から次へとタヌキ情報メールがやって来るのです。この日のうちだけで20件以上の情報が寄せられました。3日目あたりからさすがにメールは減りましたが、1週間で50件以上も集まりました。
これがどれだけの異常事態かというと、このメールの数は過去8年以上かけて寄せられたタヌキ情報メールの数よりも多いのです! 今まで苦労して集めた情報量がたった数日で達成されてしまったのです。記事は地方面でしか掲載されていないのに…さすが、全国紙です。
いつもならメールには返事を書いているのですが、もはや私の処理能力を超えてしまってます。そのため、情報の再確認が必要なものなど一部にだけ返信せざるを得ませんでした。この場を借りて情報をお寄せいただいた方々にお礼申し上げます。
メールを読みますと、新聞で読んだというものが当然最も多いのですが、ネットで見たというものもいくつかありましたし、テレビで見てという方もいました。メディアの伝播力がうかがえますね。

今回得られた情報ですが、これだけまとまった数が集まると非常に有益なものになります。しかもほとんどは今年の目撃情報です。
ですが今回の情報はまだ整理していません。というのも、本の執筆などで私も超忙しいからです。年が明けてから少しずつ整理していく予定です。それでも、目撃場所を地図上で確認することだけはしています。その確認作業から言えることは、今回の情報もこれまでの生息分布と同じ傾向が見られる、ということです。やはり西部地域に多く、東部地域に少ないという傾向です。今回新聞に掲載された分布地図が大きく間違ってはいないことが証明されたと言えそうです。
今回の情報の中には、タヌキの生息が予想されながらこれまで目撃がなかった場所からの情報も含まれていました。これはタヌキの生息分布の連続性や長距離の移動経路を推測する上で非常に役に立つ情報です。


現在執筆中の東京タヌキ本のこと

今回寄せられた情報は、残念ながら2008年春発売予定の本にはあまり反映されません。というのも、本の執筆作業は現在、第1稿をだいたい終え、第2稿にとりかかったところだからです。主要部分はもう書いてしまったのでそう簡単には変更できないのですよ。生息分布地図も現在公開されているものをそのまま使います。それでも情報の中にはかなり面白いものもありますので、それを織り込みながら第2稿を進めていくつもりです。
でも今回はいろいろな要素がありまして、完成までに時間がかかりそうです。ホントに大変です。

この本にはタヌキ関係の話題を詰め込んでいます。ホームページ上でこれまであまりタヌキ情報を出していなかったのはそのためで、これからも本の内容と重なる話題はホームページにはあまり載せないでしょう。とにかく今は本の発売を期待して待っていてください。
進行の状況や発売情報はホームページに少しずつ載せていきますので、時々見にきてください。

また「いきもの通信」はほぼ毎週更新しています。タヌキに限らない、動物全般にわたる話を書いています。動物に関心のある方はそちらをお読みになって発売をお待ちください。
今回のようにタヌキのことでメディアに登場してしまうと、「宮本=タヌキの人」とイメージが固定されてしまいがちですが、実際の私は動物全般を見ています。「いきもの通信」をお読みいただければそれがご理解いただけるでしょう。もちろん、タヌキは特に重点的に見ている対象です。「東京タヌキ」という大きな課題にはこれからも長く取り組むことになるでしょう。

東京都23区内での最新のタヌキ情報については
東京タヌキ探検隊!
のページをご覧ください。

[いきもの通信 HOME]