いきもの通信 Vol.454[東京タヌキ探検隊!]東京タヌキ観察会が困難な理由 

Vol. 454(2009/5/24)

[東京タヌキ探検隊!]東京タヌキ観察会が困難な理由

東京都23区内にタヌキがいることは知っているものの、実際には見たことがない、一度は見てみたいな〜、と思っている方は少なくないでしょう。「もしタヌキ観察会があれば行くのになあ」と思う方もいることでしょう。タヌキ観察会を開催することができれば、より多くの人にタヌキを見てもらうことができますし、タヌキへの関心を高めることもできるでしょう。これは東京タヌキを調査研究する私にとっても有益なことです。
しかしながら…現実には東京タヌキの観察会を実行することはとてもとても難しいことなのです。


観察会が難しい最大の理由は、適切な観察場所が無いためです。「タヌキが現れる場所」というのは確かにあります。しかし、タヌキは必ず現れるわけではありません。そして、いつ現れるかもわかりません。タヌキの行動ルートは固定されているわけではありません。ねぐらも1つだけとは限りません。ある特定の場所で待ちかまえていても空振りになるリスクがあるのです。これでは観察会は成り立ちません。
また、タヌキの慎重な性格も問題になります。タヌキはいつもと違う気配には非常に慎重になります。大勢の人が集まっているような場所にはまず近づきません。人間がいるとタヌキが来ない、となってはこれまた観察会は成立しないのです。
しかもタヌキは夜行性。夜のイベントに人を集めるのは大変です。
タヌキを観察できる場所も都会には適切な場所があまりありません。タヌキが目撃される場所というのは、住宅街の路上や民家の敷地内が大半です。そんな所に大勢押しかけるわけにはいきません。

それでも観察会を可能にする方法はないものでしょうか。実現可能性はちょっと置いといて、考えてみました。

・無人ビデオカメラの設置

タヌキに警戒をさせない方法、それはタヌキたちに人間の姿・気配を見せないことです。タヌキが現れるであろう場所に無人のビデオカメラを設置し、その映像を屋内の別室で観察する、という方法ならうまくいきそうです。映像は多少不鮮明でしょうが、リアルタイムで観察することができるのは利点です。タヌキも安心して行動できます。
ビデオカメラは、例えば防犯用のものを使用することも考えられます。夜間は光量が足りませんが、防犯灯の明かりがあれば何とかなるでしょう。
問題は電源やケーブルをどうするか、ということです。建物の近くならなんとかなるかもしれませんが、離れると引き回しが大変になりそうです。
他にも、複数のビデオカメラを設置する運用は可能か、録画するならどのような記録媒体を選ぶか、後で映像を利用するために効率良くタヌキが映っている場面を探すにはどうすればいいか、などなど運用上、研究上の問題がたくさんあります。それぞれの問題を解決する技術は個別に存在しますが、それを統合的に構築できるかというと別の話で、かなり高度な技術力が求められます。これにチャレンジしてくれるようなメーカーはいないものでしょうか。

・広い敷地

無人のビデオカメラが1台だけでは不安もあります。タヌキが来たとしても一瞬で通り過ぎてはがっかりです。そのため、ビデオカメラは複数台設置することが望ましいです。となると、敷地(庭・庭園)は広ければ広いほど好ましいことになります。広い方が滞留時間は長くなりますし、あちこちにビデオカメラを仕掛けることができます。
ビデオカメラを設置する場所はどこでもいいわけではありません。タヌキが現れる可能性が高い場所を選ぶ必要があります。そのために事前に時間をかけて調査しなければなりません。

・夜間の使用が可能

タヌキは夜行性ですから、夜間に使えなければ意味がありません。まあ、無理を通せばできないことはないでしょうが…。もともと夜間も公開・営業しているような場所の方がより望ましいでしょう。

以上の条件がそろえば、東京タヌキの観察会は可能でしょう。もちろん、費用の問題はまた別ですが…。その費用のことを考えると、何回か開催して終わり、というのはとてももったいないことで、長期間継続して利用できる方がいいのは当然です。毎月何回か観察会を続けることができれば理想的です。
観察会を行わない時も、映像を記録して分析すればタヌキの行動がわかるようになるでしょう。これはタヌキ研究をする私にとってとてもありがたいことです。


これらの条件を満たす場所は存在するのでしょうか。実は、これによく合致する場所はあります。しかもタヌキがいることもわかっています。条件を少しゆるめれば、実行可能な場所はさらにあちこちにあるでしょう。
その候補地をここで明かすことはできませんが、心当たりがある方もきっといることでしょう。東京タヌキ観察会の実現も不可能ではないのです。

しかし最大の問題はやはりコストです。誰か協力者(社)が現れてくれないものでしょうか…。

東京都23区内での最新のタヌキ情報については
東京タヌキ探検隊!
のページをご覧ください。

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