Vol. 513(2011/4/10)

[今日の事件]東日本大震災・動物園水族館の被害状況

東日本大震災では多くの人たちが被災し、経済的な影響も甚大です。しかし被害はそれだけではありません。残念ながら、あふれる報道の中からは断片的に動物たちの状況がしらされるだけです。

そんな中でもかなり気になるのが動物園や水族館の状況です。沿岸部では津波被害があったはずですし、そうでなくても停電やエサ不足になっていることは容易に想像できます。こうした状況を把握するには日本動物園水族館協会のページをご覧ください。

この記事の掲載時点では4月4日時点での状況が掲載されてます。同協会ホームページでは3月14日に見舞金の受付を開始、18日に被害状況を掲載するなど早くから支援に動いていたことがわかります。個別の動物園、水族館に支援してもかまいませんが、同協会を通じても支援可能です。
動物園水族館の場合は特殊な物資が必要とされていますので、役に立たないかもしれない現物を持ち込むよりも日本動物園水族館協会を通して金銭的支援をした方が効果的と思われます。

4月4日時点での報告によりますと、被害が特に大きいのは仙台市八木山動物公園(宮城県仙台市)、ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)(福島県いわき市)の2つのようです。いずれも再開の目処がたたないとのことです。

八木山動物公園は施設の損傷が大きいとのこと。エサ、水、燃料その他が不足しているようですが改善されつつあるとのことです。

ふくしま海洋科学館はブログで復興の状況を報告しています。地震当日の写真も掲載されています。
アクアマリンふくしまの復興日記

ふくしま海洋科学館については新聞での報道も読みましたが、簡単には再開できないと思われます。水族館の場合、大量の水を管理する機器類が動作してくれないと飼育はできません。また、施設周囲の地盤が沈下しているのも気になります。大型動物などは関東など各地の動物園水族館に移送されました。

動物園水族館の他に博物館関係でも被害が出ています。
新聞で紹介されたものを挙げますと…

魚竜館(宮城県南三陸町)…津波流入。魚竜などの化石ががれきに埋もれたり流出
鯨と海の科学館(岩手県山田町)…高さ約5mの津波流入。マッコウクジラ、ミンククジラの骨格標本はほぼ無事の模様

この他にも被害にあった博物館があるはずです。また、動植物関係だけでなく美術品や文化財などの被害もあったでしょう。これらも後世に残すべき貴重なものです。

地震の発生から1ヶ月もたってこういう情報を掲載するのはかなり手遅れではあります。私もうっかりして、初動が遅れました。
一方で、メディアでの報道もまだまだ少ないなと思います。被災だけでなく原発問題もあって、細かな情報を拾えていないためであることはわかっていますが。
しかしまだ問題が解決してしまっているわけではありません。復旧までには時間がかかる施設もあるでしょう。皆様の支援は今も必要とされています。どうぞよろしくお願いします。


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