Vol. 595(2016/12/18)

[今日のカラス]東京カラス問題2016

毎年恒例の東京カラス問題についてです。このところ「いきもの通信」の更新をほとんどやっていませんが、これだけはやっておきます。

さて、ご存知のように東京都知事は2012年以降、4人目の知事が就任するという異常な事態になってしまいました。その前後の混乱ぶりは報道されている通りです。
そんなこととは関係なく、カラス行政は今年も通常運転です。

2015年度の東京都のカラス対策の結果は下記のホームページに、いつものように掲載されています。
生息数等の推移(取組状況)|東京都環境局 緑の創出と自然環境の保全

概要は
「・都内における生息数は、前年度に較べ3000羽減少
・カラスの捕獲数は、前年度に較べ約2400羽減少
・都庁によせられたカラスに関する相談等件数は、14年度比約94%減」
とのことです。

グラフに示された数字は、
生息数は11900羽
捕獲数は8999羽
苦情相談件数は223件
となっています。

さて、小池知事になってカラス問題には何か変化があるでしょうか。
小池知事のこれまでの言動を見ると、政治的に目立つこと、派手なことに熱心であると言えます。
最近の豊洲市場移転問題、東京オリンピック会場変更などは世間的な反響も多く、賛同を得やすいトピックでした。(その割には大きな成果が得られたとは言えないようです。)

カラス問題は、今現在目立つテーマではなくなっています。そのため、熱心に取り組んでも政治的成果がないと小池知事が判断する可能性は高く、そうなるとカラス問題は今後もこれまで通りだらだらと続いていくことでしょう。

もし小池知事がカラス問題に価値を見いだしたとすれば、何か派手なパフォーマンスとともにいっそうの駆除策を繰り出してくることでしょう。おそらくカラスを救う方向にはならないでしょう。

私がここで声を上げても知事のところには届くことはないでしょう。カラス問題がどうなるか、じっと見つめるしかありません。
それよりも知事が妙なことを思いついてハクビシン・アライグマ対策を派手に打ち上げることがないよう祈ります。ハクビシン・アライグマ問題も簡単に解決するようなことではありません。金をかければいいというものでもありません。冷静な判断を期待したいです。


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