Vol. 597(2018/3/21)

[今日のカラス]東京カラス問題2017

遅くなりましたが毎年恒例の東京カラス問題についてです。年度内に記録しておきます。

2017年は都知事がいろいろと世間をにぎわせましたが、その後はひっそりとしています。
そんな都知事はカラスには興味がないようで、カラス行政は今年も通常運転です。

2016年度の東京都のカラス対策の結果は下記のホームページに、いつものように掲載されています。
生息数等の推移(取組状況)|東京都環境局 緑の創出と自然環境の保全

概要は
「・都内における生息数は、前年度に較べ3,200羽減少
・カラスの捕獲数は、前年度に較べ約570羽減少
・都庁によせられたカラスに関する相談等件数は、14年度比約94%減」
とのことです。

グラフに示された数字は、
生息数は8700羽
捕獲数は8430羽
苦情相談件数は248件
となっています。

数字を見ると、ここ数年の減少速度は速すぎるのでは? ということが気になります。 カラスが絶滅することはありえないとは思いますが、本当にこのまま続けても大丈夫でしょうか。
何が起こっているのかきちんと検証してほしいものです。そしてカラス虐殺政策の終わらせ方も検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。
「減った減った」と喜んでいるばかりでは何の教訓も得られません。

さて、今回は最近見つけたカラス研究を紹介したいと思います。東京都のカラスの研究ではありませんが、カラスの行動を観察したものです。

カラスによるゴミの食い荒しの季節変動と曜日変動」(齋藤仁志、2014年)
掲載誌は「BINOS」(日本野鳥の会・神奈川支部研究年報)です。

この研究は、通勤で利用するバスの車内からカラスを観察した、というものです。場所は横浜市の南端付近なので都心部とは言えません。
ですが、このようにカラスの行動に注目することが問題の理解と解決に役立つのではないでしょうか。殺した数を報告するだけでは何も理解したことにはならないのです。


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