短信 2003年

「いきもの通信」本編で取りあげていないニュースを簡単に紹介していきます。「COMMENT」の部分は私のコメントです。


[2003年12月13日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
北九州市で11月に発生した住居侵入事件で、容疑者はサルであることがわかった。現場に残された掌紋から判明した。
(COMMENT:まあ、ありえない話ではありませんが、北九州市は大都会ですよ。なんでまたこんな所にサルがいたのでしょう?)

[2003年12月12日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
飼い猫に食べ物を与えずに虐待したとして、男性が宇都宮簡裁から罰金10万円の略式命令を受けた。
(COMMENT:動物愛護法が実効性のある法律であることがはっきりしてきましたね。ペット美容師養成学校で犬に食べ物を与えなかった事件でも罰金となっています。

[2003年10月15日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
利根川の河口から約90kmさかのぼった場所で、ゴマフアザラシと見られるアザラシが目撃された。
(COMMENT:アシカ・アザラシの出現可能性は、既にVol185で書いています。ゴマフアザラシならば、その統計からの予想通りです。しかし、川に出現したというのはかなり珍しい例でしょう。)

[2003年10月15日 朝日新聞(東京板)]
米国の環境団体が、米海軍の潜水艦ソナーの使用制限を求めた裁判が和解した。低周波ソナーによって近くのクジラやイルカが脳内出血で死亡するケースがあるという。米海軍は、使用する海域を限定するという。
(COMMENT:ソナーで死亡するって本当ですか? 情報不足のためコメントできません。)

[2003年10月10日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
10月10日、佐渡トキ保護センターで、日本産最後のトキである「キン」が死亡した。
(COMMENT:遅かれ早かれこうなることはわかっていましたので、特に取り上げることはしません。偶然にも衆議院解散と重なってしまったため、1面掲載ではありませんでしたが、通常ならトップ扱いでしょう。)

[2003年8月8日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
ニューヨーク・マンハッタンのブライアント公園で、ハトのフン害を防止するために、タカ(もちろん、訓練されたもの)を4月から放していた。ところが、チワワを襲ってけがをさせたために、この作戦は中止となった。

[2003年6月19日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
沖縄県の南大東島で、絶滅したとされていたダイトウウグイスの繁殖が確認された。81年ぶりの報告となる。

[2003年6月9日 朝日新聞(東京板) 夕刊]
8日夜、さいたま市南区の住宅街に体長約1mのミシシッピアリゲーターが現れ、警察に捕獲された。このワニは近所の男性が飼っていたもの。

(COMMENT:このワニはアメリカアリゲーターとも呼ばれるものだと思います。オスは最大体長6mですが、メスはずっと小さいそうです。ただ、10年飼っていて体長1mというのは小さすぎるように思います。栄養状態が良くなかったのかもしれません。過去の関連記事はVol. 133Vol. 134です。)

[2003年5月29日 朝日新聞(東京板)]
三重県鈴鹿市、津市、海山町の海岸で、25日以降ハシボソミズナギドリの死体が約780羽打ち上げられた。北への渡りの途中、高波に巻き込まれたらしい。

[2003年5月15日 朝日新聞(東京板)]
埼玉県朝霞市市長が、アゴヒゲアザラシのタマちゃんの住民票を同市に異動したいと表明した。横浜市西区は、「タマちゃんを独占しない。話し合ってもよい」とコメント。

(COMMENT:自治体も懲りませんねえ。Vol. 163「タマちゃんの住民登録/動物を利用したがる自治体たち」を読んでほしいものです。)

[2003年5月4日 NHKニュース(午後8時45分)など]
アゴヒゲアザラシのタマちゃんは、4月末から埼玉県朝霞市の荒川で目撃されるようになったが、今日のニュース映像では、右目から口元にかけて赤い糸状のものがひっかかている。金具も付属している。釣り道具かどうかは不明。

(COMMENT:こういうトラブルは私も想像していませんでした。何がひっかかっているのか、私にはわかりませんが、よく撮れている映像ですので正体はすぐわかるでしょう(翌日までにコイ釣りの道具と判明)。これが自然にはずれない場合は捕獲もやむを得ないでしょう。ただ、捕獲作業は容易ではないでしょうし、同時に放流する時のことも想定しなければなりませんから、実行は困難かもしれません。水族館で飼う、というのは最後の手段であるべきです。)

(COMMENT:5月11日追記。「連絡会」は捕獲をしないことを選択しました。そして、11日早朝にタマちゃんの針が取れているのが確認されました。「連絡会」の判断はある意味賭けだったと思いますが、今回は運良い結果となったようです。しかし、もし3月に捕獲未遂事件が無く、今回のような事態が発生した場合、世論は「捕獲しろ」という方向に大きく傾いたかもしれません。その時に「連絡会」が冷静な判断を貫くことができたでしょうか。専門家以外の参加者が多すぎる「連絡会」の構成に、私は危機感を持つのです。)

[2003年4月27日]
週刊文春と日本テレビ「真相報道バンキシャ!」(日曜夕6時)で報道されていたが、アゴヒゲアザラシのタマちゃんを捕獲しようとした「タマちゃんのことを想う会」には宗教団体の支援があったことが判明した。会の代表もその団体と関わりがあるという。

(COMMENT:ここはオカルトは扱いませんのでコメントはしませんが、野生動物は誰の私物でもないことをあらためて指摘せずにはいられません。なお、アゴヒゲアザラシのタマちゃんはまた姿が見えなくなったようです。)

(COMMENT:5月4日追記。この1週間、テレビ・新聞で突然この団体が取り上げられるようになりました。この団体の問題行動はこれが最初ではなく、マスコミは何年もこれを無視してきたのです。今回もタマちゃんとの関連がなければここまで大問題になることもなかったでしょう。マスコミの行動原理に疑問を持たざるを得ない一件でした。)

[2003年4月20日 NHKニュース7他]
20日午前1時、タマちゃんと見られるアゴヒゲアザラシが埼玉県越谷市東町の中川で目撃された。その後の日中も目撃された模様。

(COMMENT:テレビ映像で見た限り間違いなくアゴヒゲアザラシです。先日の荒川にいた動物もアゴヒゲアザラシだった可能性は大です。中川の河口は荒川に合流しています。あー、タマちゃん騒動は当分終わりそうにないですね〜。タマちゃんは自力では東京湾から脱出できないのではないかと思います。)

[2003年4月12日 朝日新聞(東京版)]
アゴヒゲアザラシのタマちゃんは、3月の捕獲未遂事件以降は3月14日しか目撃されていない。

(COMMENT:埼玉県戸田市の荒川で3月22日にアザラシらしい動物が目撃されたことも紹介されているが、これはマスクラットではないだろうか。ただ、荒川には堰がないため、完全に否定はできない。)

[2003年3月4日 朝日新聞(東京版)、3月5日 NHKニュース9]
東京都豊島区で2月末からサルの目撃が相次いでいる。目白署は捕獲を開始した模様。それ以前にも板橋区で目撃されていた個体と同じと見られる。

(COMMENT:NHKの映像を見たところ、ニホンザルであった。飼育されていたものと思われます。)

[2003年2月6日 朝日新聞(東京版) 夕刊]
千葉県印西市の団地で、野良猫被害に悩む管理組合が捕獲器を設置して殺処分しようとしたところ、千葉県の指導で中止された。「動物愛護法」では、飼いきれない動物は自治体が引き取ることになっている(その後は殺処分される)。が、この事例では飼い主からの持ち込みではないため、法違反のおそれがあるという。

[2003年2月4日 朝日新聞(東京版) 夕刊]
厚生労働省は、ペット動物の輸入規制を強化する。感染症を媒介する動物の輸入の禁止または検疫の義務づけができるようにする。また、輸入届け出制を新たに創設する。改正される法令は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症予防法)」で、2004年の改正を目指す。

(COMMENT:「感染症予防法」で現在規制されているのはサルのみ。3月からプレーリードッグが追加される。「狂犬病予防法」ではイヌ、ネコ、アライグマ、キツネ、スカンクが対象となっている。)

[2003年1月21日 朝日新聞(東京版) 夕刊]
2002年12月、オーストラリアの離島でクワガタムシなどの希少昆虫1057匹を採取し、持ち出そうとした日本人2人がシドニー国際空港の税関で見つかり、逮捕された。

(COMMENT:Vol. 137カブトムシ・クワガタムシの輸入緩和は再考すべきである」も参考にしてください。)

[2003年1月20日 朝日新聞(東京版) 夕刊]
2002年12月〜2003年1月に、台湾の台南でクロツラヘラサギ71羽が死んだ。死因はボツリヌスC型菌による中毒死。養殖池で菌が増殖していたらしい。クロツラヘラサギの全世界での生息数は約1000羽で、絶滅のおそれがある渡り鳥。

(COMMENT:Vol. 79クロツラヘラサギを見に行った」も参考にしてください。)

[2003年1月11日 毎日新聞(掲載元はLycos)]
新潟県聖篭(せいろう)町次第浜(しだいはま)の加治川河口付近にゴマフアザラシが出没している。「カジちゃん」「タマちゃん」「ゴマちゃん」「せいちゃん」の愛称が乱立しているという。

[2003年1月]
雑誌「論座」(朝日新聞社)2月号に「タマちゃんに『保護』はいらない」という論説が掲載されています。執筆は堂前雅史氏(和光大学専任講師)。趣旨は、アザラシの本州以南の漂着は珍しくないこと、都市河川には多くの野生動物が存在すること、などです。

(COMMENT:ようやくマスコミに登場した「正論」です。これを読んで意外感を持つようでは自然環境のことを理解しているとは言えないでしょう。タマちゃん騒動については専門家のほとんどが違和感を感じているはずです。)


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