「いきもの通信」本編で取りあげていないニュースを簡単に紹介していきます。「COMMENT」の部分は私のコメントです。ニュースソースは、朝日新聞は東京版、その他はオンライン版です。オンライン版は紙面の掲載日とは異なることがあります。
本は基本的に非推薦本を紹介します。本編で取り上げるほどのこともない本だと思ってください。イラストの品評は私自身のイラスト技量が基準になってます。
[2006年11月17日、18日 朝日新聞]
京都市で60代男性が狂犬病を発症した。旅行先のフィリピンでイヌにかまれて感染したとみられる。国外で感染し、国内で発症したのは1970年以来。患者は17日に死亡した。
(COMMENT:日本国内では感染しない狂犬病ですが、世界的には普通に存在する感染症です。ご注意を。と書いたら22日にも横浜市で発症者が出たことが報道されました。やはりフィリピンで犬に噛まれたとのこと。フィリピンが特別に危険というわけではありません。とにかく海外では注意することです。)
[2006年11月5日 朝日新聞]
和歌山県沖で後ろ脚にあたる箇所にヒレがあるバンドウイルカの個体が発見された。
(COMMENT:念のため補足しますと、現生のクジラ・イルカ類にはこのようなヒレはありません。あるのは胸びれ、背びれ、尾びれのみ。この個体は突然変異体ということになるわけです。これは古生物研究には貴重な資料ですよね。)
[2006年9月26日 朝日新聞]
中国・北京動物園で、酔った男性がパンダのオリに入ったところ、驚いたパンダが男性にかみつき大けがをした。動物園側は男性に治療費を支払った。
(COMMENT:「パンダはかわいい」「パンダはおとなしい」とほとんどの人が思っていることでしょう。そんなわけないじゃん! パンダはどう見てもクマですよ。確かに性格は温厚ですが、本気を出されたらかなり危険なのは明らかです。)
[2006年9月14日 朝日新聞(夕刊)]
日清製粉グループ本社は、浜辺をイヌが走り回るテレビコマーシャルの放送を中止した。視聴者から「イヌの放し飼いを助長する」という指摘があったため。コマーシャルは鎌倉市で撮影された。神奈川県の条例では、イヌの放し飼いを禁止している。
(COMMENT:イヌにリードをつけずに好き勝手にさせている例は私も日常的に見ているのですが、これはマナー違反であることを飼い主の方には認識してもらいたいものです。)
[2006年9月11日 朝日新聞(夕刊)、13日(朝刊)]
9日夜、埼玉県川越市の水田で、オットセイが捕獲された。10日、上野動物園に移された。荒川か隅田川を泳いできたと見られている。水産庁と上野動物園は、オットセイをリハビリの後、外洋へ放すことに決定した。
(COMMENT:オットセイの目撃は、混獲か沖合でというのが多いような記憶があるのですが、こんな所まで来ますかね? 今回こそ、これは脱走ペットだ!と疑いたいところですが、そういう報道はありませんね。東京でタヌキが見つかると「人間が飼っていたに違いない」と簡単に断定されてしまうんですがねえ。まあ、上野動物園も何らかの根拠を持って野生個体と判断したのでしょうが。)
[2006年8月28日 朝日新聞(夕刊)]
27日午後、徳島県阿南市の那賀川河口付近の中洲で、アゴヒゲアザラシの「ナカちゃん」が死亡しているのが発見された。死因は船のスクリューに巻き込まれたためと見られている。
(COMMENT:「ナカちゃん」はこれまで東京ではほとんど報道されなかったニュースです。地域間のニュースの行き来が完全でないということは、東京にいると忘れてしまいがちです。東京が日本の中心だなんて考えていると大切なことを見落としてしまいます。ところでこのアザラシ、現地ではかつてのタマちゃんのような人気だったようです。これもまた何も学習していないというか…。詳しくは「いきもの通信」のバックナンバーをご覧下さい。)
[2006年8月19日 朝日新聞(夕刊)]
コロンビアで、日本向けに大型カブトムシを養殖する事業が始まっている。
(COMMENT:記事本体よりも、2005年の外国産カブトムシ・クワガタムシの輸入量が前年からほぼ倍増の約182万匹という数字に注目です。これはムシキング効果が明らかな数字です。密輸入される例も少なくないと見られ、実際にはさらに何倍もの流入があると考えた方がいいでしょう。この無茶な数字の背後にあるのは、現地の自然破壊です。そういうことまで想像する人が少ないのが現在のブームの問題点です。)
[2006年8月17日 朝日新聞]
風力発電のための風車に鳥が衝突する「バードストライク」が発生している。環境省は3年かけて事故防止策をを調査することになった。
(COMMENT:効率のためとはわかってますが、あの風車ってすごく大きいですよね。)
[2006年8月3日 朝日新聞]
世界遺産に指定されている知床で、増えすぎたエゾシカを捕獲する計画が了承された。
(COMMENT:捕獲、となってますがこれは間違いなく殺処分です。シカを飼う余裕なんてないはずですぞ。ただ、エゾシカが過剰なのも事実。自然環境の基盤は植物であるわけで、植物生態系なくして動物生態系は支えられません。この場合はエゾシカよりも植物保護を優先させるのは正しい選択だと思います。)
[2006年7月31日 朝日新聞]
農林水産省が植物防疫法施行規則の改正で欧米産モンシロチョウを検疫の対象から外す方針。昆虫の研究者からは懸念の声がある。
(COMMENT:国内のモンシロチョウはキャベツの外側を食べるが、欧米産は内側まで食べてしまう。被害予測が難しい。というのが昆虫研究者の意見。農林水産省は世界貿易機関の協定で、輸入と国産の農作物の取り扱いに差をつけられない、という事情があるようです。しかし外来生物法というものもあるのだし、農業害虫にはさんざん苦労しているのですから、簡単に検疫対象から外すというのは安直に思います。侵入されてからあわてるよりも、侵入予防を徹底すべし、というのが原則でしょう。)
[2006年5月]
大相撲の序二段(西107枚目)に「猫又」という力士がいるんですが…。
(COMMENT:かなり下の方の番付けなんですが、もっと上へあがれるよう期待しましょう。でも大化けするのかしないのか、よくわからん名前ですな。猫又だから化けそうな名前ですが、あれはネコが年をとって変化(へんげ)したものだからそれ以上化けないのか。どっちだ?!)
[2006年5月16日 朝日新聞]
1968年に福島県いわき市で化石が発見された海棲爬虫類「フタバスズキリュウ」の分類などが15日、国立科学博物館などから発表された。論文は19日発行のイギリスの学会誌に掲載される。分類は新属新種とされ、学名はFutabasaurus suzukiiとなる。
(COMMENT:「フタバスズキリュウには学名が無い」というのは古生物学の世界では実はよく知られていた話です。発見当時高校生だった鈴木氏も50歳を過ぎてしまいました。なんでこんなに長期間放置されていたのかというと、分類の確定が難しかったからではないかと思います。学名というのは分類が決まらないと付けられないのですよ。とにかく収まるところに収まってよかったよかった。ちなみにフタバスズキリュウは「恐竜」ではありません。「首長竜」または「海棲爬虫類」と呼ぶのが正解です。恐竜とは全然別系統の動物なのです)
[2006年5月6日 朝日新聞(夕刊)]
岩手県北上市で82歳の女性がニホンカモシカと格闘し軽傷を負った。庭の犬を室内に入れようとしたところ、ニホンカモシカに襲われ、角をつかんだまま数時間過ごした、とのこと。
(COMMENT:信じがたいニュースですが病院で治療したところをみると実話ですね。もっと体力のある人ならニホンカモシカと互角ということはないでしょうから珍しい事件だといえるでしょう。特別天然記念物と真っ正面からバトルできるなんて、ちょっとうらやましいかも。)
[2006年5月3日 朝日新聞]
国際自然保護連合(IUCN)は2006年版レッドリストを公開した。ホッキョクグマ、カバが初めて掲載された。
(COMMENT:レッドリストに掲載されたといっても、レッドリストは非常に細かくカテゴライズされているものですので、即絶滅というものではないでしょう。そんなに危ないならもっと以前から載っていたはずですし。そもそも、掲載種が全部で16119種にもなっているようではいったいどれが本当に貴重なんだかわかりにくくなっているのではないかと思います。)
[2006年4月27日 朝日新聞]
消費者金融大手のアイフルは、金融庁からの全店業務停止の行政処分を受け、広告宣伝を自粛、チワワの「くぅ〜ちゃん」が登場するCMを打ち切ることを決めた。
(COMMENT:ああ、異常なチワワ・ブームを巻き起こしたCMがやっとで終わるんですね。ありがたいありがたい…。また別の動物を使うCMを作ったりしないよう願います。)
[2006年4月15日 朝日新聞]
豊岡市で、昨年放鳥されたコウノトリのつがいが人口巣塔で産卵したことが確認された。
(COMMENT:コウノトリは順調のようですね。先日は電線にひっかかる事故もありましたが、これも野生の試練でしょう。)
[2006年4月13日 朝日新聞 夕刊]
北海道ではこれまでに約760羽のスズメの死体が報告されている。鳥インフルエンザその他の病気は見られず、死因は不明。
(COMMENT:北海道の方ではしばらく前から騒ぎになっていたようですが、ようやく東京でも報道されました。しかし、わずか13行の小さな小さな記事です。東京では地方のニュースがほんとに入ってきませんね。東京に住んでいる人には、マスコミがすべての情報を伝えているなんて思い込まないでほしいです。)
[2006年3月11日 朝日新聞]
ヨーロッパで鳥インフルエンザがネコに感染したことが明らかになり、フランスでは捨てネコが増加している。フランス農業省は「ネコなど肉食のペットから人間に感染した例はない」との声明を出した。一部の自治体では野良猫を安楽死させる措置を始めたが、愛護団体は中止を求めている。
(COMMENT:SARSの時のハクビシンもそうでしたが、すぐに短絡的な反応が起こってしまうのは残念なことです。捨ててしまうのなら最初から飼わないでください。感染が心配なら室内飼いをしてください。私たちの生活で動物を完全に切り離すことは不可能です。常にある程度のリスクがあることを前提に対策を考えるべきです。)
[2006年2月21日 朝日新聞 夕刊]
日本動物園水族館協会は、クマの過密飼育やエサやりの方法が問題になっているクマ展示施設「のぼりべつクマ牧場」(北海道)と「カドリー・ドミニオン」(熊本県)に改善を勧告した。
(COMMENT:これらのクマ展示施設は以前から評判が悪かったものです。これらの施設のどこが悪いかわからない、と言う方は時代の流れに完全に取り残されていますよ。)
[2006年1月5日 朝日新聞]
CITES(ワシントン条約)事務局は3日、チョウザメ保護のためキャビアの取り引きを凍結すると発表した。養殖チョウザメのキャビアは対象外。
(COMMENT:日本ではチョウザメにあまりなじみがないのでどういう魚なのか知らない人は多いと思います。「サメ」とついてますがサメではありません。軟骨魚類でもなく硬骨魚類に分類されます。しかし、ワシントン条約事務局ってすごい権限を持ってるんですねえ。)