今回は、インターネットを使って動物の画像を探す方法について紹介します。この「いきもの通信」ではいろいろな動物が登場するのですが、私自身が撮影したものでない限りそれらの動物の写真を掲載することはありません。他人が撮影した写真を載せることは著作権的な手続きが必要になり、非常に手間がかかるためです。できることならば、読書の方々にはもう一手間かけていただいて、インターネットで画像を探していただきたいと思います。そうすれば、文章だけではわかりにくいイメージをつかめ、もっと理解が深まると思うからです。
googleのイメージ検索を使う
インターネットのコンテンツの中で特に有用なものといえば、検索サイトといえるでしょう。ただ、ほとんどの検索サイトは文字情報を検索するものであり、画像の検索には向きません。そんな中、画像も検索できるのがgoogleです。
googleの最初のページのタイトル下に「イメージ」というボタンがありますので、それをクリックしてみてください。すると「イメージ検索」のページになります。ここから画像を検索できるのです。試しに入力欄に何か動物の名前を入力してみてください。「イヌ」とか「ネコ」ではおおざっぱすぎるし、ポピュラーすぎますので、あまり有名でない動物、そうですねえ、「カピバラ」とか「ムフロン」とかはどうでしょう。
検索を実行してみると、画像がいろいろ表示されるでしょう。中には明らかな「はずれ」もありますが、だいたい目的の画像は得られるはずです。画像をクリックすれば、その画像データが存在するホームページを表示してくれますので、その動物についての文字情報も得られるでしょう。
ここで入力する動物の名前は、「カメ」「ネズミ」のような抽象的な動物集団の名前を入力するのではなく、「アカミミガメ(ミシシッピアカミミガメ)」「テンジクネズミ」のように具体的な名前を使った方がより確実に目的の画像を得られます。学名でイメージ検索をする
正しく具体的な動物名を入力しても関係のない画像ばかりが表示されることもあります。例えば水鳥の「バン」(鳥綱ツル目)。「バン」を探そうとしても、車の種類の「バン」が表示されたりします。他にも「ケリ(鳥綱チドリ目)」「テン(哺乳綱食肉目)」「ドリル(哺乳綱霊長目)」のように短すぎる名前や、同名で意味が異なる言葉がある場合にはうまく検索できないことが多くなります。このような場合は学名で検索してみましょう。
例として「サイガ」で試してみましょう。「サイガ」でイメージ検索しても、それらしい画像は数点しか出てきません。そこで学名を調べてみましょう。「サイガ」を普通に検索(「ウェブ」というボタンを選んでから検索する)すると、関係ない情報の中に、動物の解説文が混じっているのがわかるでしょう。そういったホームページをいくつか開いてみれば、必ずどこかに学名が書かれているものです。「サイガ」の学名は「Saiga tatarica」。この学名を使ってあらためてイメージ検索をしてみましょう。するとかなり大量の画像が、しかも世界中から見つかるはずです。学名は世界共通の名前、こういうときにとても役に立ちます。ところで、「バン」「テン」といった動物の学名を探す時、その動物名だけで検索しても学名はなかなか見つからないでしょう。そういう時は、「バン 鳥」「テン 哺乳類」のように、関連のある言葉を付け加えて検索するだけで効果的に情報が得られます。
英語名でイメージ検索をする
困ったことに、学名で探してもあまり画像が出てこないことがあります。学名は世界共通といっても、専門用語であるため誰もが知っているわけではないからです。そういう場合は英語名で検索してみましょう。
今度は「アイアイ」を例にしてみます。日本語の「アイアイ」で検索すると、どう見ても無関係な画像ばかりで、サルのアイアイはちらほらとしか出てきません。学名「Daubentonia madagascariensis」で検索すれば、今度はちゃんと正しい画像が表示されます。まあ、これでも十分役に立つ量です。しかし、英語名「aye-aye」で検索してみると、もっと大量に画像が表示されます。
英語名を探す方法は学名の場合と同じです。見つからない場合は日本語のページだけではなく、学名を使って海外のホームページも検索してみてください。
さて、このように簡単に画像を探せるのは非常に便利です。ただし、これらの画像を自分のホームページに載せるなどの無制限な使用はしないでください。これらすべてには原則として著作権があるものと考えるべきだからです。
私もイラストのための補助的な資料として参考にすることがありますが、必ず他の(主に書籍・雑誌の)資料も合わせて参考にします。インターネット上の画像は解像度が低いから、また、その写真の信頼性の評価が必ずしもできないからです。
こういった点を考慮してもインターネット上の画像の検索というのはなかなか役に立つものです。ぜひ積極的に使ってみてください。