Vol. 204(2003/12/14)

[今日のアニメ]「名探偵ホームズ」のモデルになった犬を推理する

この秋から東京のローカルテレビ局(東京でもローカル局はあるのよ!)で「名探偵ホームズ」の再放送をやっていて、なつかしいな〜、とか思いながら見ています。なぜこのアニメーションをここで取り上げるのかというと、登場人物がすべて犬の姿をしているからです。

この作品が最初に公開されたのは、1984年春の劇場公開でした。その時上映されたのは2本の作品でした。併映されていたのが「風の谷のナウシカ」で、もちろんメインはそちらです。その後、テレビシリーズとして1984年11月〜1985年5月に全26話が放映されました。うわわ、もう20年も前の作品なんですねえ。ナウシカからも20年か…。
この作品の総指揮をとったのは今をときめく宮崎駿氏で、シリーズの中でも宮崎氏が監督・絵コンテ・演出を担当している回もあります。

作品の内容はタイトル通りシャーロック・ホームズものです。が、自動車は走るは、飛行機は飛ぶは、石炭自動車(蒸気自動車)は出てくるわ、原作無視(ストーリーがまったく違う!)、時代考証無視の超絶作品になっています。シャーロキアン(ホームズ愛好家)絶対激怒モノの内容なのです(笑)。ですが、「お子様向けアクションコメディ」として見れば、良くできた娯楽作であるのも確かです。
この作品の特異なところは、登場人物がすべて犬であることです。犬といっても服を着て、2足歩行をする擬人化されたものですから違和感はそれほどでもないでしょう(よく見るとしっぽは無いみたいですね…)。人間が完全に犬に置き換えられた世界なのです。
さて、その犬なんですが、登場人物それぞれにモデルになった犬種があるようなのです。いったいモデルはどの犬なのか、さっそく推理してみようではないかね、ワトソン君。

(著作権の問題等ありますので画像は載せられません。googleなどで「名探偵ホームズ」を検索してみてください。犬種についてはイメージ検索してみるといいでしょう。)


ホームズ

もちろん主人公です。
モデルはコリーだと言われているようですが、どうもイメージ的に違うように思えます。
コリー、あるいは中型のシェトランド・シープドッグの特徴は長い毛です。特に首回りの長毛が目立ちます。本作品のホームズは、若干長毛っぽくもあるのですが、コリーとは首回りの印象が違いすぎます。
毛色、毛の印象という点から調べてみると、ボーダー・コリーがモデルではないでしょうか。ボーダー・コリーは黒/白が多いのですが、茶/白という毛色もあります。顔の毛の生え具合なんかそっくりです。
(声優は、TVシリーズでは広川太一郎。とぼけた口調がなぜかはまっています。劇場版は別の人で、柴田光彦でした。)

ワトソン

ホームズの相棒、医者のドクター・ワトソンです。
これはわかりやすいですね。ふさふさの口ヒゲでテリア系、シュナウツァー系だな、と判別できます。そのあたりを探してみると、スコティッシュ・テリアがぴったりのようです。スコティッシュ・テリアは黒い毛色が代表的です。本作品のワトソンは青色ですが、アニメで真っ黒な色は使いづらいですので、暗色系の暗い色味にしているものと思われます。

ハドソン夫人

ホームズの下宿先の家主さん。原典では老未亡人という設定だったはずですが、この作品ではうら若き美しい未亡人なのです!
この作品でのハドソン夫人は、一見すると犬っぽく見えないこともあるのですが、垂れ耳、髪の毛のボリューム、女性的なイメージ…とくるとこれはやっぱりプードルでしょう。プードルには小さい順にトイ・プードル、ミニチュア・プードル、スタンダード・プードルと3種類あります。この作品、背の高さはモデルの犬に準じているようです。そうすると、1番大きい中型犬のスタンダード・プードルということになります。
ところで、最近の小型犬ブームの中、トイ・プードルの人気が上昇中です。しかも、「テディベア」風のトリミング(ヘアカット)にするのが定着しそうな勢いです。これはこれでかわいいのですが、プードルといえばあの独特の刈り込んだ毛も悪くないと私は思っています。ちなみにプードルはもともとは猟犬です。頭のいい元気な犬ですので、ペットとしてはなかなかいい犬だと思います。

レストレード警部

スコットランドヤード(ロンドン市警)の警部さん。
これは疑いなくブルドッグです。短い鼻、横にのびた耳。まさにブルドッグ。これ以上説明はいりませんね。

モリアーティ教授

悪役のボス。原典ではそんなに登場していたわけではありませんが、この作品では第1話を除きず〜っと登場、悪役を一手に引き受けています。大活躍です。
顔の模様から推測すると、シベリアン・ハスキーでしょう。シベリアン・ハスキーの悪人面はまさにぴったりです。モデルはオオカミという説もありますが、シベリアン・ハスキー自体、オオカミの血が入っていると言われることもありますのでやはりシベリアン・ハスキーが正解ではないでしょうか。

トッド&スマイリー

原典には無いキャラクターです。モリアーティ教授の子分。要するに三枚目、漫才コンビという役回りです。ちびが兄貴分のトッド、のっぽが弟分のスマイリーです。
垂れ耳のトッドはパグでしょうか? レストレード警部に似ているようにも見えますが、小型犬のフレンチ・ブルドッグは立ち耳なので違います。
スマイリーは垂れ耳がビーグルっぽい印象です。が、この作品では背の高さは実際の犬の大きさに準じているようですので、小型犬のビーグルは候補から外れます(ワトソン=スコティッシュ・テリアも小型犬なので背が低い)。中型犬から選ぶとすると、垂れ目っぽい情けない顔つき、という特徴にぴったりなのがバセット・ハウンドです。短足なのがちょっと違いますが、顔つきは見れば見るほどスマイリーそっくりです。

…というのが私の推理だがね、ワトソン君。なあにこれは簡単な推理さ。


こうやって見てみると、顔の特徴や体の大きさなど、意外と実在の犬の特徴をよく描写していることがわかります。スタッフに犬好きがいたのか、ちゃんと資料を読み込んでいたのか、いずれにせよ「いい仕事してますね〜」ということですね。
他にも多数の脇役や群衆もいるのですが、そこまでやっていたらきりがありませんのでパスします。さすがに脇役クラスになるとモデル犬種もあいまいな感じになってくるようです。でも群衆もよく見るとひとりひとり顔が違っているんですよ。で、それぞれが違う動きをしていたりする。なんだかすごいアニメだなあ、と今さらながら再認識しています。


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