Vol. 567(2013/8/11)

[今日のカラス]東京カラス問題2013

先日、杉並区の大宮八幡宮の敷地内にカラストラップ2台があるのを発見しました。善福寺川から丸見えの場所です。カラストラップは巧妙に視界から隠されていることがほとんどなので、こんなに簡単に見つかるのは珍しいです。

さて、毎年恒例の東京カラス問題についてです。

東京カラス界でこの1年での最大のニュースは何といっても、石原知事が任期途中で辞任したことでしょう。これで政策変更の可能性が少しは浮上した、と思いたいのですが、新しい知事も前任者の継承が基本方針のようで、カラス問題については新たな動きは現在のところありません。まあ、今はオリンピック招致に忙しくて、カラス問題のような些事にはかかわっている暇もないのでしょう。それどころかこのままずっと忘れ去られてしまうのではないかというおそれもあります。トップが忘れても現場レベルでは延々と継続されるのがお役所の習性です。永遠の現状維持が続きそうです。

さて、平成24年度の結果についての都の発表は下記のページにあります。

カラス対策の状況について|東京都環境局 緑の創出と自然環境の保全

概要は
「・都内における生息数は、前年度に較べ1300羽増加
・カラスの捕獲数は、前年度と同規模
・都庁によせられたカラスに関する苦情相談件数は、14年度比約91%減」
とのことです。

グラフも示されていますが、字が小さすぎて数字が読み取れません。なんとか読み取った数字は、
生息数は17900羽?
捕獲数は14858羽?
苦情相談件数は335件
のようです。

毎年のように言っていることですが、都はカラス対策について科学的な検証を行うべきです。カラスの生息数・生息分布の変化、殺処分の影響など、これまでの対策の結果を公表・検証し、より適切な対策を考えるべきです。検証を怠っていると、いつの間にか気がつかない内に取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
自然環境にかかわる政策は年限を設定して定期的に見直しをするよう義務づけるべきです。自然環境はそれほど安定的ではありません。常に状況をチェックし、正しい対策を実行できるようにすることが必要です。

…それにしてもカラスの味方は私の他にはいないのでしょうか?


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