このところずっといきもの通信を休んでいまして申し訳ありません。
東京タヌキ探検隊！と東京コウモリ探検隊！はちゃんと継続しています。
今回は東京コウモリ探検隊！から派生した話題で、動物には関係ないことですがとても重要なことだと思いますのでここに書くことにします。
アブラコウモリ探索の時に私がバットディテクターを使っていること、その探索の過程でコウモリ以外の超音波源がいろいろ存在することは既にいきもの通信でも紹介しました。
超音波の中にはかなり強烈な、音量が大きすぎるものがあります。以前から特に問題だと思っていたのは、ネズミ防除装置です。これは超音波でネズミが近づかないようにするという装置です。ネズミが超音波を嫌うというよりも、非常に強い音量の超音波を出すことでネズミが近寄りにくくしている、という仕組みです。その超音波、ネズミには聞こえるけど人間には聞こえないはずです。ですが、これが聞こえる人間は少なからずいます。私自身がそうです。
この超音波が聞こえる人はけっこういるだろうと予想されるのですが、これが超音波だと気付いていない人も多いようで、実態はよくわかりません。
この超音波は私にとっては我慢できないものではありませんが、長時間は耐えられません。ただ、かなり迷惑に思っている人もあるはずです。そこで、「超音波被害」などの言葉でネット検索をしてみたのですが…。
検索されたホームページはそろいもそろって「電波系(笑)」なのです。
「超音波で攻撃されている」とか「電磁波攻撃を受けている」とかそういった内容なのですが、私に言わせればそれらはすべて妄想です。気のせいです。超音波兵器や電磁波兵器が存在することは否定しませんが、それを一般人相手に使用するのははっきり言って無駄なことです。コスト的に見合いません。嫌がらせをするならもっと安上がりで簡単な方法はいくらでもあります。
こんな非科学的な役に立たないページばかりなのか、とがっかりしたのですが、探し続けてようやくまともなホームページを見つけることができました。
このホームページでは問題の原因が超音波であることを把握しており、その超音波が聞こえる場所をGoogleマップで提示もしていました。さっそくメールで連絡をとり、いろいろと情報交換・情報提供をしました。
また、ここで指摘されている場所(大手町〜日比谷一帯)に私自身がバットディテクター持参で行き、確かにその場所に超音波源があることを確認しました。彼ら/彼女らの耳はとても正確なものだったのです。そして、その超音波源のほとんどはネズミ防除装置だったのでした…。
ネズミ防除装置とパーキングメーターの超音波には共通点があります。
まず、周波数が比較的低いということです。超音波の下限は15〜20kHzとされることが多いのですが、ネズミ防除装置は17〜20kHzでその下限ぎりぎり、パーキングメーターは25kHz程度で下限にかなり近い周波数です。これはつまりこれらの超音波を聞こえる人がそこそこいるだろうことが予測されるのです。
もうひとつの問題は音量が大きい、ということです。ネズミ防除装置の方は明らかに音が大きすぎます。可聴域ならば騒音レベルのものです。公害と言ってもいいでしょう。
パーキングメーターはそれほどでもないのですが、パーキングメーターは1台だけ設置されているということはありません。複数台がずらりと道路脇に並んでいるわけで、結果として全体で大きな音量になってしまうようです。
超音波源は他にもいろいろありますが、特に影響が大きい(被害者数が多いと思われる)ネズミ防除装置とパーキングメーターについては、私は「超音波騒音」と言ってしまってかまわないと思っています。
このような超音波問題について、きちんと調べてまとめたホームページがネットに存在しないのも問題と思いましたので、東京コウモリ探検隊！ホームページの中に超音波関係の情報のページを設置しました。
このページでは超音波の基礎知識、さまざまな発生源について書いています。そしてその中で超音波騒音についても取り上げています。
多くの人にとっては超音波はまったく気にすることのないものです。ですが一部の人にとってはそうではありません。超音波とその問題を理解するための役に立てばと思います。