以前に上野動物園に住み着いたゴイサギのことを書きました。今回はその続編です。
5月末、私は多摩動物公園に行ってきました。目的は動物の写真を撮るためです(他の目的なんて考えられませんが(笑))。到着したのは正午直前、中に入ってからもゆっくりじっくり歩いたため、だんだん日が傾いてきました。閉園1時間前の案内放送が流れたので、順路を逆行しながら戻っていきました。
キリンやグレビーシマウマがいる大広場では既に動物たちは飼育舎に収容され、掃除が始まっています。この大広場の端には水路があって、普段はペリカンたちの居場所になっているのですが……、むむっ、アオサギがいる……。しかも10羽以上はいます。このアオサギたちが飼育されている動物でないのは明らかです。アオサギをこんなに飼う動物園なんて聞いたことありませんよ。なぜこんなところにいるのか? アオサギたちは時々水路に飛び込んで、魚をくわえ、飲み込んでいます。なるほどやはり食べ物目当てなんですね。水の透明度は高いので、私は水路をのぞきこんでみました。確かに魚がいます。ただし、水底に横たわった魚が…。どうやらペリカンのエサとして投げ入れられた死んだ魚のようです。そのおこぼれをアオサギたちがいただいているようです。上野動物園のゴイサギといい、動物園をちゃっかり利用する鳥たちには感心してしまいます。この多摩動物公園もアオサギにとっては天国のようなところなのでしょうね。そして、アオサギの写真を撮りたい私にとっても天国のような場所なのです(笑)。またここに撮影に来ようと思っています。さて、アオサギについても少し解説しておきましょう。
アオサギは日本に生息するサギ類の中で最大の種類です。ダイサギとほぼ同じぐらいの大きさです。体の色は灰色(青色がかっている)で、遠くから見ると光の加減ではダイサギのようにも見えます。しかし、目から後頭部にかけて黒いこと、翼を広げると黒い翼が見えることなどで判別は簡単です。後頭部には冠羽がひょろっとはえているのがおしゃれな感じです。
生息している場所は、他のサギ同様水辺です。ただ、ダイサギやコサギほど人間の近くには現れません。緑が多い場所、農耕地、人が入れない林でよくみかけます。そのような場所に行けば簡単に発見できるでしょう。ただ警戒心は強い方なので、接近するのは難しいです。ですから多摩動物公園のようにすぐそばで観察できる場所というのはとても貴重だと言えます。動物園には飼育されている動物だけでなく、このような意表を突く居候がいたりするものです。私にとって動物園とは、そんな野性動物を観察・撮影するために欠かせない場所でもあるのです。
(写真は多摩動物公園で撮影したもの。)