最近、カラス関連のことでいろいろ説明したり、あれこれ調べたり、ちょろちょろ書いたりしていて、とにかくカラスな日々が続いています。もちろん、カラス捕獲トラップに関することなのですが、問題の重要性がなかなか伝わらないのは残念です。特に、マスコミは反応が鈍いですね。あ、私はマスコミに含めないでください。フリーのライターにはそんな権力なんかありません。
さて、今回はカラスの小話をまとめて書きます。カラスや鳥のことをもっと知っていただきたいと思うからです。
闇夜?のカラス
「鳥目」という言葉がありますが、これは誤りです。鳥は夜も目が見えます。では、なぜこんな言葉ができたのかというと、鳥類の大半は日の出に起きて日の入りには寝ぐらに帰る昼行性だからです。夜は活動しないのを見て「夜は目が見えないのだ」と勘違いしたということなのです。もちろん、夜活動する鳥もたくさんいます。フクロウはその代表です。ゴイサギも夜行性ですね。意外かもしれませんが、カモ類も夜行性です。カモ類は昼間も活動していますが、実は夜に活動することも多いのです。
さて、カラスの話。カラスはもちろん昼行性です。しかし例外もあります。以前ちょっと書いたことがあるのですが、私が住む高円寺では深夜にカラスの鳴き声が聞えることがまれにあります。しかも、その鳴き声が大きくなったり小さくなったりするため、鳴きながら飛行していることがわかります。しかし、その姿を目撃したことはありませんでした。もし現場に出くわしたとしても、暗い空に黒いカラスではちゃんと確認できるかどうかもあやしいものです。
昨年末、深夜に家の近くの道を歩いていた時のことです。突然、頭上でカラスが「カーカー」と鳴きました。はっ、と上を見ると、カラスが飛んでいく姿が確かに見えたのでした。その夜の天気は薄ぐもり。地上の光を低い雲が散乱していて、以外にも空が明るかったのです。ですから、カラスのシルエットをはっきりと確認できたのです。都会の空は明るいということを再確認した夜でした。カラスの行水
カラスはきれい好きです。いや、正しくは鳥類はみんなきれい好きなのです。なぜかというと、常に清潔を保っていないと羽がぼろぼろになり、飛行性能に影響が出るからなのです。体をきれいにするにはどうするか、というと水浴びをするのです。場合によっては砂浴びをすることもあります。
鳥の水浴びの姿を見たことがある人は少ないかもしれません。水浴びなんてなかなか観察できないのではないかと思われるかもしれません。しかし、私の経験では水浴びを見ることはそれほど難しいものではありません。鳥が水浴びをするにはいくつかの条件があり、それに合う場所・時間を選べばかなり高い確率で観察できます。
条件その1は「水」です。水浴びするには当然水が必要ですよね。これは当たり前のことです。条件その2は「浅い水深」です。「足が届く程度の深さ」といってもいいでしょう。そして、条件その3は「邪魔がいない」こと。例えば人の往来が激しい場所では水浴びは見ることはできません。ただ、昼は人が多くても早朝の誰もいない時間帯なら水浴びを観察できる可能性はかなり高くなります。
さて、カラスの話。カラスの水浴びは「カラスの行水」という言葉で知られています。「カラスの行水」とは、ぴちゃぴちゃと水をかぶっただけで行水(あるいは風呂)を終わらせる、という意味ですが、これは本当でしょうか。私、測ってみたことがあります。都内某所は年中カラスの行水を見ることができる素晴らしい?場所です。そこでカラスたちの様子をじっと観察してみたのです。すると、どんなに長くても1分程度しか水浴びをしないんですね。ただ、すべてのカラスがそうなのかはわかりませんし、冬だったので短かったのかもしれませんし、近くに人間がいたので警戒していたのかもしれません。さらなる観察が望まれる「カラスの行水」です。烏合の衆
先日テレビを見ていると、カラスが登場するミステリー(推理もの)ドラマをやっていました。ストーリーは「カラスを可愛がっていた母娘が殺された。その現場を見ていたカラスが、カラスの群れのボスになり、犯人に集団いやがらせをする。その様子を怪しんだベテラン刑事と女性テレビディレクターが事件の犯人を暴く」というものでした。カラスについて、細かいことはいくらでもつつけるような内容なのですが、特に変だったのが「カラスのボス」のことです。
さてそこで「烏合の衆」の話。「烏」とはカラスのことです。そして「烏合の衆」とは「カラスのようにまとまりがない集団」という意味です。昔の人はよく観察していますよね(「鳥目」は間違っていたのですが)。そうなんです、カラスにはボスなんていません。カラスがトビなどを追いかけている時に、群れを先導するようにみえる個体がいるかもしれませんが、あれがボスというわけではなく、たまたま流れでそう見えているだけです。もし、カラスにボスがいるならば、イヌやライオンやニホンザルのようにはっきりとわかるような「群れ」が存在するはずです。しかし、カラスにはそのようなことは報告されていません。本当にただ集まっているだけの統率のない集団なのです。
えー、カラス話はまだあるのですが、回を改めて書くことにします。
前に紹介したカラス捕獲トラップですが、出かけるついでに何ヶ所か見てきました。そして、そのすべてが立入禁止の場所に置かれていることがわかりました。おそらく、ほぼすべてのトラップが立入禁止の場所にあると思われます。これは、人が近づける場所ではカラスが警戒するので、人が近づけない場所を選んで設置しているのでしょう。ただ、善福寺公園は人が近づける場所でしたが、カラスは捕獲されていました。カラスが捕獲されやすい環境の法則性はよくわかりません。
トラップを目立たない場所に設置した結果、このようなことが進行していることは一般にはほとんど知られないままになっています。邪魔者をこっそり消しているようで、ちょっといやな感じです。