10年も「いきもの通信」を書き続けると、ちょっとした事典のような内容量になってきました。単純計算で単行本数冊分以上の量があります。また、これだけの量があれば他のサイトからのリンクも増えてきます。その代表がWikipediaや「Yahoo!知恵袋」や「人力検索はてな」や「教えて!goo」といったサイトです。Wikipediaは誰でも参加可能な百科事典であり、後3者は誰かの質問に別の人たちが答えを教えていくという形式のサイトです。
Wikipediaはその内容の正確さや妥当さについて時々問題になることがありますが、全般的にはまずまずの水準にはなっていると言えるでしょう。ただ、動物に限ったとしてもグループや種によって記述の多寡や濃淡に違いがありすぎて、統一的で平均的な知識を得るのはちょっと難点があるように思います。
まあ、それはさて置いて、Wikipediaの中で「いきもの通信」がどのように登場しているのか見ていきましょう。
なお当然のことですが、今回の内容は執筆時点(2009年4月)でのWikipediaの記述に基づいています。
まず、私の名前「宮本拓海」で検索してみましょう。残念ながら、そんな項目はありません。さすがにそこまで有名人ではないということです(笑)。Wikipediaといのは芸能人やマスコミによく登場する人物の項目がやたら詳しいという傾向がありますよね。「コラアゲンはいごうまん」という知る人ぞ知る芸人まで載っているのは驚きです。ちょっとくやしいかも(笑)。ちなみに私はコラアゲンはいごうまん氏からネタ取材されたことがあります。「中野区某所で目撃された謎の動物はタヌキだったのか?」ということを調べているうちに私のところまでたどりついたようで、そのいきさつは既に舞台で披露されています。今後も追加取材があるかもしれません。
さて、話を戻して、Wikipediaで「宮本拓海」を検索すると、魚類や水生生物の項目がずらずらと表示されます。これは参考文献として「外来水生生物事典」(共著)が挙げられているからです。ただ、いずれの項目も執筆は共著者によるもので、実際には宮本は関係ありません。イラストだけは宮本が描いているのですが。
しかもこれらは「いきもの通信」へリンクされているわけではありませんのでアクセス数には関係ありません。
Wikipediaからの訪問が最も多いのは「ヤギ」の項目からのものです。リンク先は
「Vol. 179(2003/6/22)[今日のいきもの]世界最悪の動物」
です。ここでは、ヤギが植物を根こそぎ食べてしまうために自然環境を破壊してしまうことを書いています。この点について「世界最悪の動物」と私は書いているのですが、そのヤギを作り出したのも、持ち込んだのも人間である…というのが本当の注目点です。ですから、Wikipediaからリンクされるのははたして適切なのかどうか疑問があります。
次に多いのは「カラス」の項目。リンク先は「東京カラス問題関連情報」のページです。このリンクは比較的最近のものです。
ちょっと意外なリンクは「雷獣」の項目です。
雷獣とは日本の幻獣・妖怪です。その正体については諸説ありますが、現存する動物であるという説は多くあります。私は江戸時代の雷獣についてはハクビシンがその正体である、と考えており、それが引用されています。
リンク先は「Vol. 367(2007/7/1)[今日の動物探偵!]本所七不思議の謎を解く!その2」です。
「いきもの通信」ではありませんが、「東京タヌキ探検隊!」のホームページへは「タヌキ」の項目からリンクされています。まあ、これは当然のことと思われるかもしれませんが、このリンクが作製されたのは実は今年になってからのことなのです。
タヌキのことが出てきたのでついでに書いておきますが、Wikipediaでのタヌキの項目の説明はわかったようなわからないような内容です。この項目は生物としてのタヌキについての説明よりも伝承など文化関係の説明の方が長いのです。脚注はほぼすべて妖怪関連になっています。タヌキの伝承が多いのは事実ですが、生物学的なことと伝承的なことは別項目にしてほしいところです。また、生物学的な記述についても一般的なことが書かれているだけです。真面目に生物としてのタヌキを調べようとこの項目を読んでも、あまり参考にならないでしょう。しかし百科事典とはそういうものです。詳しく知るためにはもっと専門的な本を読むべきなのです。