Vol. 144(2002/10/6)

[今日のカラス]カラス捕獲トラップ再び

カラス問題を解決するために東京都がカラス捕獲トラップを設置した、という事件は今年1月からたびたび取り上げてきました。このトラップ、3月でいったん閉鎖されたのですが(夏場はカラスが分散するので効果があまりないから)、当初の都の予定通り9月から順次再稼働が始まりました。もう10月になっていますので、おそらくすべてが稼働中のはずです。

さて、今回はカラス捕獲問題の復習といきましょう。これまで散々書いてきたので、今さら新たに書くこともないんですよ。

カラス問題そのものについては、以前雑誌で書いていますが、これは主に

・カラスがゴミを散らかす
・カラスが人間やペットを襲う

の2点が主に問題とされています。
東京都(というよりも東京都知事)の対策のひとつは「カラス問題を解決するにはカラスを減らせばいい→カラスを殺そう」というものでした。「東京都カラス対策プロジェクトチーム報告書」が発表されたのは2001年9月。この報告書は実際には役に立たない対策も含まれた出来の悪いものでした。

その報告書にあったカラス捕獲作戦は、行政にしては異例の超高速で実行に移されます。12月から23区を中心とする都内の公園などにカラス捕獲トラップが100台も設置されたのでした。
一見効果的に見えるトラップですが、実際には効果がないことは初めからわかっていたことです。その理由についてはVol. 105Vol. 117で書いています。またこのことは雑誌でも書きました

このカラストラップは「カラス変死事件」という怪事件まで引き起こすことにもなりました。

カラス捕獲トラップは3月末で、すべて閉鎖されました。2001年度の捕獲数は4210羽。都内の生息数の1割以上になります。ところで、都内在住の皆さま、春以降カラスが減ったなあ〜と思われた方はいますか? 減った印象はほとんどないはずです。「いや、減った!」と言う方もいるかもしれませんが、それはたまたまカラスがそこに来なくなったか、観察が足りないだけだと私は言い切ります。この程度でカラスは減りません。

そして、予定通り9月から捕獲トラップが再開されたのです。今回は前年度の100台にさらに新設の20台が加わりました。これまでの100台も雨風にうたれてぼろぼろにならないかな〜と思ったりしていたのですが、期待以上にしっかりした作りだったようで、壊れた様子はありません(善福寺公園で確認)。

さて、また都の無駄な抵抗が来年春まで続くわけですが、私はあらためて主張しなければなりません。
「カラス捕獲トラップでは問題は何も解決しない」
そして
「カラス問題を解決するにはもっといい方法がある」
ということを。
少なくとも、トラップという意味の無い施策は直ちに止めさせたいところです。

そして、読者の皆さんにお願いがあります。新設のカラス捕獲トラップの情報を私はまだ持ち合わせていません。見かけた方は具体的な場所をご連絡ください。ちなみに昨年度の100台の設置場所はここに掲載しています。これらのトラップの様子の情報もご連絡いただければありがたいです。


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